労働法改正に関するコラム

地域別最低賃金額改定の目安について(令和8年度)

公開日:2026.09.01

更新日:2026.09.01

地域別最低賃金額改定の目安について(令和8年度)

令和8年7月28日に中央最低賃金審議会が開催され、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。全国加重平均は1,176円(前年比+55円)となる見込みです(なお、東京都の最低賃金の見込みは1280円(前年比+54円)となる見込みです。)

各企業においては「対応が必要な従業員の洗い出し」や、「賃金テーブルのチェック」など、早めの実務対応が必要です。本コラムを参考に改めて自社の最低賃金をチェックしておきましょう


各都道府県に適用される引上げ目安

都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCの3ランクに分けて、引上げ額の目安が提示されています。

令和8年度の引上げ額の目安は、Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円となっております。

都道府県別のランクは下記の通りです。

ランク

都道府県

金額

埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪

54円

北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、

新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、

滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、

広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡

56円

青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、

佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

56円

今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。

仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は55円(昨年度は66円)となります。また、引上げ率に換算すると4.9%(昨年度は6.3%)となります。

主要地域の答申状況

現在、各地方最低賃金審議会で答申が行われているところですが、現時点での答申状況は下記の通りです。

都道府県現行額(円)答申額(円)引上げ額(円)

北海道

1,075

1,131

56

埼玉

1,141

1,196

55

千葉

1,140

1,195

55

東京

1,226

1,280

54

神奈川

1,225

1,279

54

愛知

1,140

1,195

55

大阪

1,177

1,231

54

福岡

1,057

1,114

57


最低賃金のチェック方法

最低賃金を下回らないよう、各従業員の現在の賃金が最低賃金以上であるかどうか確認が必要になります。最低賃金は時給で示されているため、各従業員の給与を下記のとおり時給換算のうえ、比較することになります。

時間給の場合
時間給 ≧ 最低賃金額
日給の場合
日給÷1日の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額
月給の場合
月給÷1か月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額

なお、下記の賃金は最低賃金の計算から除外しなくてはならないこととされています。

最低賃金の計算から除外する賃金
  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当および家族手当

最低賃金のチェックを行う際は、上記に当てはまる賃金は除外したうえで、時給換算しなければなりません。

実務のポイント

正式な改定額は今後各労働局のホームページにて公開されますが、現時点の目安となる引上げ額を参考に、最低賃金ラインにいる従業員をピックアップし、給与改定のシミュレーションを行うとよいでしょう。

改定後の最低賃金の適用日はおおむね10月中ですが、地域によって異なりますので、確認の上対応するようにしましょう。


参考URL

厚生労働省『令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について


関㟢 悠平

この記事を書いた人

関㟢 悠平

平成29年入社 早稲田大学卒 大学卒業後は、ブライダル関連の上場企業でサービス業に従事。その後、エスティワークスに参画。丁寧な業務遂行と持ち前のトーク力で多くのお客様の信頼を得ている。IPO(上場)審査に向けた労務デューデリジェンス (労務DD)を数多く実施、給与計算や社会保険実務にも精通した社労士として活躍中。