労働法改正に関するコラム

女性活躍推進法の改正~101人以上の企業に「男女間賃金差異」「女性管理職比率」の公表が義務化(令和8年4月1日施行)~

公開日:2026.03.03

更新日:2026.03.03

女性活躍推進法の改正~101人以上の企業に「男女間賃金差異」「女性管理職比率」の公表が義務化(令和8年4月1日施行)~

令和8年4月1日より、従業員101人以上の企業は「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務化されます。301人以上の企業も公表項目が追加。各指標の定義・計算方法・公表タイミングを整理しましたので、自社の事業年度を確認しながら今すぐ準備を進めましょう。

エスティワークスが培ってきた労働法令のノウハウと最新の研究成果をぜひご活用いただければ幸いです。ご相談レベルで構いませんので、まずはお気軽にお問合せください↓

情報公表の必須項目の拡大

女性活躍推進法では現在、自社の女性の活躍に関する状況について、求職者等が簡単に閲覧できるように情報公表を行うことが定められております。
従業員数301人以上の企業は、情報公表項目について、以下の①の区分から男女の賃金の差異を含めた2項目以上、②の区分から1項目以上を選択して、計3項目以上を公表する必要があります。
従業員数101人~300人の企業は、①と②の全項目から1項目以上を選択して公表する必要があります。

① 女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供

  • 採用した労働者に占める女性労働者の割合
  • 男女別の採用における競争倍率
  • 労働者に占める女性労働者の割合
  • 係長級にある者に占める女性労働者の割合
  • 管理職に占める女性労働者の割合
  • 役員に占める女性の割合
  • 男女別の職種又は雇用形態の転換実績
  • 男女別の再雇用又は中途採用の実績
  • 男女の賃金の差異
② 職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
  • 男女の平均継続勤務年数の差異
  • 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
  • 男女別の育児休業取得率
  • 労働者の一月当たりの平均残業時間
  • 雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
  • 有給休暇取得率
  • 雇用管理区分ごとの有給休暇取得率

令和8年4月1日以降は、これまで従業員数301人以上の企業に公表が義務付けられていた男女間賃金差異について、101人以上の企業に公表義務を拡大するとともに、新たに女性管理職比率についても101人以上の企業に公表が義務付けられることとなりました。
(従業員数100人以下の企業は努力義務の対象です)

企業等規模301人以上の場合

改正前

改正後

男女間賃金差異に加えて、2項目以上を公表

男女間賃金差異及び女性管理職比率に加えて、2項目以上を公表

企業等規模101人~300人の場合

改正前

改正後

1項目以上を公表

男女間賃金差異及び女性管理職比率に加えて、1項目以上を公表

男女間賃金差異

「男女間賃金差異」は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合(パーセント)で示します。
また、「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分での公表が必要です。
「男女間賃金差異」の情報公表のイメージとしては、下記のようになります。

労働者区分

男女間賃金差異

全労働者

XX.X%

正社員

YY.Y%

パート・有期社員

ZZ.Z%

  • 対象期間:●●事業年度(●年●月●日~●年●月●日)
  • 正社員:社外への出向者を除く。
  • パート・有期社員:契約社員、アルバイト、パートが該当。
  • 賃金:通勤手当等を除く。

「男女間賃金差異」の詳しい算出方法については、下記、過去のコラムでご紹介しております。


女性活躍推進法の一部改正~男女の賃金の差異の算出方法等~(令和4年7月8日施行)

女性活躍推進法の一部改正~男女の賃金の差異の算出方法等~(令和4年7月8日施行)の詳細ページです。

st-works.com

og_img

女性管理職比率

女性管理職比率は、下記の計算式のより算出します。

女性の管理職数÷管理職数×100(%)

ここで用いられている「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計を指します。
また、「課長級」とは、以下のいずれかに該当する者をいいます。

  • 事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、2係以上の組織からなり、若しくは、その構成員が10人以上(課長含む)の長
  • 同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと)

※一般的に「課長代理」や「課長補佐」については、「課長級」に該当しません。

公表のタイミング

従業員301人以上の企業については、令和8年4月1日から「女性管理職比率」の公表が新たに義務付けられ、従業員数101人以上の企業については、令和8年4月1日から「男女間賃金差異」「女性管理職比率」の公表が新たに義務付けられることとなりますが、初回の「男女間賃金差異」及び「女性管理職比率」の情報公表は、改正法の施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要があります。

(例)
令和8年4月末に事業年度が終了する企業
⇒ おおむね令和8年7月末までに公表

令和8年12月末に事業年度が終了する企業
⇒ おおむね令和9年3月末までに公表

令和9年3月末に事業年度が終了する企業
⇒ おおむね令和9年6月末までに公表

自社の事業年度を確認し、速やかに公表できるよう準備するようにしましょう。

参考URL

厚生労働省『女性活躍推進法特集ページ』


エスティワークスが培ってきた労働法令のノウハウと最新の研究成果をぜひご活用いただければ幸いです。ご相談レベルで構いませんので、まずはお気軽にお問合せください↓

関㟢 悠平

この記事を書いた人

関㟢 悠平

平成29年入社 早稲田大学卒 大学卒業後は、ブライダル関連の上場企業でサービス業に従事。その後、エスティワークスに参画。丁寧な業務遂行と持ち前のトーク力で多くのお客様の信頼を得ている。IPO(上場)審査に向けた労務デューデリジェンス (労務DD)を数多く実施、給与計算や社会保険実務にも精通した社労士として活躍中。