給与計算と社会保険のコラム
給与計算と社会保険のコラム
令和7年6月13日に改正年金法が成立いたしました。今回の改正により、標準報酬月額の上限は65万円→MAX75万円まで段階的に引き上げられていきます。(2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円と、段階的に引き上げ)
適用が開始されるとこれまで上限で引っかかっていた人の保険料は増額になる可能性があります。本コラムでよく確認しておきましょう。
厚生年金加入者及び事業主が毎月納める厚生年金保険料は、報酬(毎月受け取る賃金など)に保険料率を掛けて計算します。その際、報酬をそのまま使うと保険料の計算が複雑になるため、32段階の等級のうち、当てはまる等級を使って計算がされています。これが標準報酬月額です。
参考:厚生年金保険料額表(日本年金機構のHPより抜粋)
報酬について、以下の理由から、標準報酬月額の上限(現在は65万円)が設けられており、上限を超えても保険料はそれ以上増えないこととなっています。
また、全被保険者の標準報酬月額の平均をとった2倍が、現行の上限(現在は65万円)を超える状態が続くと、政令で新しい等級を追加することができることとなっています。
実際に、令和2年度も下記のように新しい上限が設定され、それが現行の上限(65万円)となっております。
(厚生労働省HPより抜粋)
賃金が上昇傾向にあることを踏まえ、今回の改正により、厚生年金等の標準報酬月額の上限が65万円→75万円に段階的に引き上げられます。
2027年9月 | 680,000円に引き上げ |
2028年9月 | 710,000円に引き上げ |
2029年9月 | 750,000円に引き上げ |
これにより、賃金などが月75万円以上の方の場合、保険料(本人負担分)は月9,100円上昇することとなります。
月々の報酬が65万円を超えている従業員は、標準報酬月額が68万円以上となり、月々の厚生年金保険料が増額となる可能性があります。
2027年からは3年間、保険料が段階的に増額することとなりますので、対象となり得る従業員には早い段階で周知を行うとよいでしょう。
厚生労働省『厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて』
この記事を書いた人
平成29年入社 早稲田大学卒 大学卒業後は、ブライダル関連の上場企業でサービス業に従事。その後、エスティワークスに参画。丁寧な業務遂行と持ち前のトーク力で多くのお客様の信頼を得ている。IPO(上場)審査に向けた労務デューデリジェンス (労務DD)を数多く実施、給与計算や社会保険実務にも精通した社労士として活躍中。