有期契約社員やパートタイマーにも正社員同様に慶弔休暇を与える必要があるでしょうか?

2022.02.22

有期契約社員やパートタイマーにも正社員同様に慶弔休暇を与える必要があるでしょうか?
QUESTION
Q
週3日で勤務しているシフト制のパートタイマーから慶弔休暇を取得したいとの申し出がありました。会社としては認める必要があるのでしょうか?
ANSWER
A

有期契約社員やパートタイマーについても慶弔休暇を付与する必要がある。但し、週の所定労働日数により比例付与する方式については不合理ではないと考えられる。

 2021年4月1日から中小企業にも「パートタイム・有期雇用労働法」(略称)が」適用されることとなりました。これにより、全ての企業において正社員と非正規雇用労働者(有期契約社員)との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されています。

 慶弔休暇についても例外ではなく、厚生労働省では「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(厚生労働省告示第 430 号)の中で以下のとおり具体的に例示しています

【慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び当該健康診断を勤務時間中に受診する場合の当該受診時間に係る給与の保障】

短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の慶弔休暇の付与並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障を行わなければならない。

(問題とならない例)

A社においては、通常の労働者であるXと同様の出勤日が設定されている短時間労働者であるYに対しては、通常の労働者と同様に慶弔休暇を付与しているが、週2日の勤務の短時間労働者であるZに対しては、勤務日の振替での対応を基本としつつ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を付与している。

 これに対し、(問題とならない例)では週2日勤務の短時間労働者は振替困難な事例にのみ限定する方式をとっています。この点を踏まえると、週の所定労働日数に応じて比例付与をする方式については不合理ではないと考えられます。 短時間・有期雇用労働者にも「有給の保障を行わなければならない」とされており、全く付与しないことは不合理な差異となります。

 なお、労働基準法における年次有給休暇の比例付与が、1日の労働時間の長短は関係なく、週の所定労働日数に照らして付与していることから、慶弔休暇の場合も、これにならって所定労働日数で設定するのが妥当であろうと考えます。

CASE